睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も無呼吸になってしまう病気で、病名の「Sleep Apnea Syndrome」の頭文字をとってSAS(サス)とも言われています。この中でも、息の通り道である気道が閉塞してしまうことにより、呼吸が止まるタイプの閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)が最もよく見られます。
発症関連要因としては、肥満、加齢、男性などが挙げられます。特に肥満の方は、咽頭部も脂肪で気道が狭くなりやすい上、横になることで重力がかかり、さらに気道が狭くなります。一方、痩せている方であっても、就寝前に常習的に飲酒をされている方は、気道の筋力が緩み気道が狭くなります。また、扁桃腺肥大(特にお子さま)や加齢による気道の筋肉の衰えにより、気道が狭くなると睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなります。
睡眠中に一時的とはいえ気道が狭くなると、全身が低酸素状態(血液中の酸素濃度が低下している状態)になります。呼吸で十分に酸素を取り込めなくなると、その代わりに心臓が頑張ろうとしてくれるのですが、心臓を夜間に休ませずむしろ激しく働かせることで、心臓が疲れてしまい、睡眠時無呼吸症候群は心不全を併発しやすいと言われています。
また、高血圧などの生活習慣病との関連も言われており、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の方の約半分に高血圧の合併、高血圧患者の約3割にOSAの合併が見られます。特に、3剤以上の異なる種類の降圧薬を服用しても血圧の目標値まで下がらない方や夜間早朝高血圧の方は、OSAの合併に注意が必要です。
Q: どのような症状がありますか?
A:以下のような症状が睡眠中におきていますが、ご自身では気づきにくく、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されています。
・いびきをかく
・寝ている時に呼吸がとまる
・夜中によく目が覚める
・睡眠が長続きしていない気がする
・日中の眠気や倦怠感・疲労感が強い
健診で肥満、メタボリックシンドロームの指摘を受けた、アルコール摂取歴、睡眠導入剤の常用をされている方は、気づかないうちに睡眠時無呼吸症候群を起こしている可能性があります。
■6つの質問で、睡眠時無呼吸症候群のリスクのチェックしてみましょう。
気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
Q: どのような診断を行いますか?
A: 以下の流れで診断を行います。
1,問診
(具体的な症状や過去の病歴など)
・いびき、無呼吸、昼間の眠気の程度
・SASの原因疾患、合併症
・頭痛の有無、起床時の爽快感
・睡眠時間と睡眠時のトイレ回数
・飲酒歴、喫煙歴、常用薬の有無
・現在の職業の内容 など
2,アプノモニター(簡易睡眠時呼吸検知装置)による簡易検査
※検査結果次第では、「ポリソムノグラフィー(PSG)検査」等の再検査となります。
※追加検査の必要な方、入院PSG検査をご希望の方は、近隣の医療機関をご紹介させていただきます。
Q: どのような治療を行いますか?
A: 代表的な3つの治療法がありますが、現在欧米や日本国内ではCPAP療法が最も普及しています。
【対症療法】
・CPAP療法
(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
・マウスピース
【根治療法】
・外科的手術
Q: 検査と治療にかかる費用は?
A: 検査、治療には健康保険が適用されます。
3割負担の方の治療費用の一例
■検査
簡易検査 2,700円
※初診料・再診料の他、状況に応じて別途費用がかかります。
■CPAP治療 月約5,000円
※詳細は当院までお気軽にお問合せください。